医学修養なう~名古屋編~

学士編入に関する情報、日々の雑感、研究のゆくえなどを不定期にブログにしたためていきます。

医学部学士編入:試験傾向

千葉大学の二次試験(面接編)

千葉大学の二次試験(面接編)です。

千葉大学の面接は①研究面接②ローテーション面接③最終面接と三つに分かれています。
 ③最終面接については①②後に残るよう指示された受験生のみです。

二次試験当日は朝10時頃に集められ、研究発表資料と簡単な履歴書のような質問用紙を合わせて60分で作成します。


①研究面接について 
研究面接は8分以内で過去に行った研究の発表、その後5分程度で質疑応答があります。研究歴の無い人は入学後に取り組みたい研究をプレゼンします。面接官は部屋に3名です。
当日は白のA4紙が5枚と
三色サインペン(赤・青・黒)が支給され発表資料を作成します。全て右上に名前と受験番号を記入する欄があり、事前に資料を考える場合はスペースを考慮する必要があります。作成した資料はOHPでスクリーンに投影します。

質疑応答は研究面にフォーカスしたものが中心です。覚えている限りの質問内容は、
・○○は生体ではどう働くのか?
・△△という手法は〜〜には応用できたりするの?
・□□という手法は何故行なうのか?

といった研究の内容に関わるもので占められました。
これは私が生命科学系の研究をしていて面接官に馴染みがあったためであり、工学分野や文系の方ではより一般的な質問になりそうな気がします。


②ローテーション面接
ローテーション面接では医療倫理に関する具体的事例を与えられ、それに対して論じるという形式を10分程度×3回繰り返します。これは一般入試(前期)と同じ形式です。

私の場合与えられたのは
・プラセボ薬を使った治験について問題点は?
・外国籍の代理母に依頼したが親権を主張され子供が引き渡されないケース
・自分の受け持つ子供が他医師の受け持つ子にイジメられている場合、どう解決するか?

という3つの質問でした。

ローテーション面接では医師に求められる倫理的規範、研究に関わることばかりでなく医療と社会の関わりも含めた多面的な素質が求められているように思います。対策の難しいところですが、小論文の対策と合わせてケーススタディを多くこなすと良いかと思います。
こちらが考えを述べた後、○○な場合はどうするか?というように条件を追加してくる面接官の方もおりました。


③最終面接
最終面接は一般的な面接です。
①②の結果を踏まえて(詳しい基準は分かりませんが…)半数程度の受験生が残されて最終面接を受けることとなります。合格者はおそらく③の受験者のなかから出ます。

出願時に提出した課題作文や当日作成した質問用紙を元に質問を受けます。特にこれまでの経歴から医学部へ転身しようとする動機を中心に聞かれました。そのほか、受験が失敗した場合にはどうするのか、なぜ大学受験では医学部に行かなかったのかといった質問もありました。

千葉大学の問題傾向(筆記編)

皆様お久しぶりです、この頃の忙しさで更新を完全に放置しておりました。今回は千葉大学編です。

千葉大学の1次試験は英語・生命科学・小論文の三科目です。試験時間は全て60分。
なお"試験の得点で受験者の平均点に満たない教科・科目等があった場合,不合格とすることがあります。"(H28受験要項より)とあるので、対策が偏らないよう注意して下さい。


○英語
本文のソースは幅広く、 雑誌や論文誌など多岐に渡る。ただし後述の生命科学と差別化を図るためか生命科学の知識に依らない英語力の測定にフォーカスしている印象。熟語や英文整序などの文法・語法問題も出る。

近年の出題は以下。
H28…Lencet "The burden of disease in the older people and implications for health policy and practice"という記事の一部
H27…手元に見つからず。確かTIME誌あたりの原発事故関連
H26…『英語で楽しむ 寺田寅彦』2 エレベーターより
H25…The nobel prize of physiology or midicine 2011, press release 
H24…Scientific american March 2011 P41~45より

後述の生命科学と比べて時間的余裕があり、英語が出来れば解ける問題なので安定して8〜9割を狙いたい。


○生命科学
生命科学とは名ばかりで実際は英語の試験。名古屋・神戸あたりと似た出題をするので各記事参照。

近年の出題は以下。
H28…NatureのNews and views、ガン関連
H27…手元に見つからず。確かNatureのNews and views、話題はアポトーシス

H26…NatureのNews and Views、元になった論文は同誌のLetter

H25…Cell Stem CellのReview、FigureはCellとNatureから。

H24…NatureのNews and Views。

ここ5年で4回もNatureを出題する執着っぷりで、普段から読んでおけば得をするかもしれない。H23以前は基礎医学系の教科書(原著)からの引用もあったので戻る可能性もなくはない。

千葉の生命科学はとにかく時間が厳しく、猛スピードで英文を読み答案を的確に仕上げていかなければならない。解答はほぼ全て記述。H25~26あたりに英文量・問題の難易度ともにピークを迎え、実験考察問題も出題されており相当なハードワークであった。ただしH27~28は比較的おとなしい出題になっている。あまり受験生の出来は良くなかったのかもしれない。
 

○小論文 
特徴というほどではないが、リード文に対して小問が多い。記述量はそこそこ。
H27以前はリード文に対して6~8問程度の小問が付随する形式であったが、 H28は突如大問3つに分岐して出題された。これまでは小論文であまり差がついていなかったのかもしれない。


次回は面接編です。

神戸大学の問題傾向

続いて神戸大学の試験について。

問題傾向について
神戸大学で課される学科試験は生命科学と英語の総合問題の1つのみです。筆記試験がたった1科目なので受験しやすい大学ですが、募集要項を見ると「筆記審査及び書類審査を行い」とあります。2次試験は研究発表(普通の面接含む)です。
参考(H28募集要項): http://www.med.kobe-u.ac.jp/admission/sm/docs/hen_2016.pdf


○生命科学と英語の総合問題 (1次)
という試験科目名になっていますが、要は生命科学系の論文読解です。
近年の傾向は2時間で大問2つとかなり時間に余裕がある内容です。H23以前は大問3題のセットで出題されていましたが、それ以降は上述の構成で安定し「量から質」への転換が感じられます。私の受けた年は癌に関する論文&生物系のエッセイの構成でした。

出典はNatureを初めとする有名誌のReview(解説記事)を中心とした学士編入にありがちな出題です。設問は年によってかなりブレがあり、和訳ガッツリの年もあれば内容説明・知識問題が多い年もあり意外と安定しない印象です。読みやすい課題文が出題されることもあり、その場合差がつかない試験となりそうです。

また神戸大学は三年分の過去問の郵送してくれます。私の記憶では6~7月あたりに最新年度の過去問が入手できるようになったので、今すぐ三年分入手しておけば来年には四年目が揃えられるかもしれません。
(リンク:http://www.kucoop.jp/exam/question.html
追記:2016年7月現在、生協の過去問の郵送サービスが中止となっていました…。


○面接(2次)
1次試験を通過すると受験生は午前組と午後組の2グループに分けられ、各グループ内で受験番号順に20分程度の面接試験を課されます。集合時間は午前組と午後組で別々だったので待ち時間に悩まされる可能性はわりと少なそう面接は10分程度の研究発表と、その後に10分程度の質疑応答です。なお研究内容の資料としてパワーポイントを使うよう予め指示されますが、時間制限のために枚数には自ずと限界があります。

研究発表は100名程度収容の講義室でスライドをプロジェクターで投影するスタイルです。面接官は8人程度でうち進行役が1名おり、発表終了後に進行役が基本的な質問をするほか各々の面接官がそれぞれ質問をしてきす。質問自体は研究内容・志望理由に関するものなどです。

神戸大学の面接は10分しか質疑応答時間がないせいか、体感的にはあっという間の面接です。一部の質問は予め用意されているものを尋ねているような印象を受けました。
例えば
・将来はどのような医師になりたいか
・併願校はどこか
・何科に興味があるか
といった質問を受けましたが、十分予想できる質問であると言えます。


〜まとめ〜
2次試験に進んだのはほぼ大学院在学or卒の様子でした。神戸大学は理系院生が好きという噂がまことしやかにありますが、研究者養成志向の大学はどこもそうかもしれません。wikiには文系学生の合格実績もあると記載があります。一昔前の神戸大は卒業時にMDとPhDを同時取得させるコースがあったそうですが、現在そうした記述はないようです。

試験が1科目であることから相対的に書類審査&面接のウェイトが大きく筆記の実力だけでは合格が難しいです。第一志望にするにはリスクが大きく、一方で併願校としては受けやすいと言えます。近年は受験者が減少傾向にあるので理系院在籍or卒の人は狙い目かも。

参考(学士編入まとめサイト)→ http://www29.atwiki.jp/iggakubugakusi/pages/50.html
 

2016年7月修正 

名古屋大学・面接

続いて名古屋大学面接編です。


面接
○研究発表 
直近の研究内容について10分程度で説明し(事前提出のA4資料3枚使用可)、その後15分程度の質疑応答という内容です。

小論文試験を終えた受験生は3部屋ある控室のいずれか案内されます。そして順番に各部屋を担当する面接官から呼ばれ、別室で上述の試験を受けます。面接官は3名おりましたが、私の部屋の場合は若手の教授1名に中堅〜ベテランの教授2名という組み合わせでした。なお面接部屋の割り振りは法則性があるわけではなく完全にランダムのようです。それによる不利・有利はないようなのでご安心下さい。

入室するとまず受験番号と名前を述べるよう促され、その後すぐに研究内容のプレゼンを行います(余談ですが私は受験番号を言い間違えてしまいました…)。部屋には自分のプレゼン資料の入ったPCが用意されていて、備え付けのTVモニターを使ってプレゼンを行います。 発表のスタイルは基本的に自由だと思いますが、私は用意された椅子に座らず立ったままプレゼンを行いました。

プレゼン資料は3枚までと指定されるので(少ないと思う)、資料の作り方に工夫が必要です。印刷したプレゼン資料を面接官が手元に持ってるのかな?と事前に予想していたのですがそんなことはなかったので、モニター上だけで理解できる資料にすること、判読可能な文字と図にすることを意識しておくと良いです。私のラボの教授がしばしば「スライドの文字は18ポイント以上がマナー」と仰っていましたが、役に立つ雑学かもしれません。

○質疑応答
研究発表を受けての質疑に加え、志望動機などの通常の面接を行いました。

プレゼンを終えると、「志望動機などについて伺って、その後に研究内容の質疑を行います」と面接官が仰られました。研究発表したあとなのにその順番なのか!と思いましたが…他の方はどうだったんでしょうね。

志望動機などについてはごく一般的な学士編入の面接と同じだと思います。覚えている限りで聞かれたのは…
・これまでの経歴を説明して下さい
・過去の経歴と今後医学部でやりたいことの整合性はどのように取っている?
・臨床or基礎
・なぜ医学部に関心を持ったのか
・名古屋大でやっている研究の内容やその業績についてどこまで知っている?
・今までの研究を名古屋大でも続けたいか
・10年後の自分の将来像を教えてほしい

といった感じです。名古屋大は研究者養成を謳っていますので、こうした質問には予め解答を用意しておくとよいでしょう。特に編入後に行いたい研究や将来像については念入りに問われた印象です。

これは名古屋大に限りませんが「なぜ編入する必要があるのか」という問いは常に意識しておくと良いと思います。「それは編入しなくても出来るんじゃない?」というカウンターは貰いたくありませんしね。

研究面接の質疑応答について、これは人それぞれになると思いますが
・この研究は具体的にどのように役立つのか
・発表中に出てきた○○という因子についてはどの程度分かっているのか
・△△が欠損するとどうなるのか
・あなたが医学部に来るとなると、この研究は今後どうするのか

こうした質問を中心に、実験のテクニカルな部分も尋ねられました。研究報告会をイメージしてもらえればよいと思います。

面接全体を通じて「提出してある資料を面接官はまだ読んでいない」ことを前提とした答弁をするべきかな、と感じました。履歴書や志望動機書などは手元に持っておられましたが、複数の受験生を連続して面接する都合上、面接前に一度目を通している程度と考えておくのが良さそうです。とはいえ書類と発言の一貫性には気をつけたほうが良いかと思います。

最後になりますが、面接は自分を理解しようとしてくれている場だと思いますので、焦らず頑張って下さい。

名古屋大学の問題傾向

まずは名古屋大学について記そうと思います。

問題傾向について
名古屋大学で課される学科試験は英語・生命科学・小論文の3つです。うち小論文については英語・生命科学のみが課される1次試験をパスした合格者に実施されます。2次試験は小論文・研究発表(普通の面接含む)です。

○英語
英語は三大誌のCell・Nature・Science(CNSと呼んだりします)、他にもLancetなど幅広い論文誌から引用されているようです。しかし試験時間の制約があるためかArticle(メインの記事となる論文)から出題されることはほぼ皆無であり、代わりにReview (解説記事。Nature誌のNews and viewsが代表的)が主流です(この辺は結構どの大学でも一緒ですが)。

英語は大問3題構成、設問は和訳や内容説明、空欄補充などの記述問題や選択問題が中心のオーソドックスなもので、一般的な過去問中心の対策で大丈夫でしょう。ただし時たま英作文が出題されることがあるので英作文の作法を大学入試レベルの参考書で軽くさらっておくとよいかも(私が受けた時にも偶然出題されました)。

私の体感ではありますが、英語の合格ラインは75~80%だと思います。


生命科学
生命科学も大問3題構成で、分子生物学・細胞生物学を中心に幅広いテーマが出題されます。出題の予想される分野としては、
分子生物学>細胞生物学>>生化学・生理学・遺伝学・免疫学etc...
というイメージでしょうか 。一度だけ物理化学の混ざった出題をしてきたことがあったようですが(電位ポテンシャルを求めさせる問題だったかな?)、普遍的に出題される様子はないので取り立てて対策しなくてもよいかと思います。他大受験のために物理や化学をやっている方なら十分対応可能そうです。分子生物学や細胞生物学は出題の頻度が高く、理解の程度で大きく得点に差がでるのでここを強化して下さい。その他の分野は余裕にあわせて対策しておくと安定するかと思います。

また名古屋大学の特徴として、必ず統計学を中心とする問題が大問1つ出題されます。大問1つ=配点3割程度を占めることが予想されるのでそれなりの対策が必要でしょう。難易度はそれほど高くなく、初歩的な統計知識がきちんと活用できる程度(t検定や回帰分析、条件付き確率も)で問題ないでしょう。

生命科学は年によって難易度が変動する印象ですが、恐らく得点率7~80%程度が合格ラインという印象です。


○小論文
10行程度のリード文が与えられてそれに対して論じる形式です。

名古屋大学では単なる医療倫理上の問題指摘に留まらずに医学の今後を論じさせる問題が頻繁に出題されており、医学の持つ技術面・倫理面・制度面など多面的な現状を理解していることが前提で、その上でオリジナリティある解決策を提案することを試しているように感じます。

大学受験レベルより一歩踏み込んだ解答をするためにも過去問を見ておくのが望ましいですが、名古屋大学は現地まで行かないと過去の問題を閲覧できない…ということで、1次試験を受けに行く機会などで確認しておくことを勧めます(無論それより前に入手しておくのが理想ですが)。

対策として、一般的な医系小論文の参考書をこなしておくことに加え医療工学のような生命科学の発展がもたらした新しい医療技術とその問題点(iPS細胞、ゲノム技術、がん治療etc)を押さえておくとよいと思います。また近年は医療制度に関する話題もよく出題されているようです。

なお名古屋大で閲覧できる過去問は直近3年分のものしか用意されてないようです。


次回は名古屋大の2次試験(面接)についてです。
 

一部修正(16/07/12) 
プロフィール
【経歴】
受験当時:都内大学修士課程
専攻:生命科学
興味:精神医学・神経科学etc
予備校:なし
受験決意:2014年夏

【受験結果】
2014年度
 千葉1次○、2次×
2015年度
 神戸1次○、2次×
 名古屋1次○、2次○
 千葉1次○、2次×

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